東京大学 物性研究所
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物性研談話会
標題:有機サイリスタ:単結晶で起きる非線形・非平衡現象
内容:日 時  2005年12月 1日(木) 午後4時〜
場 所  物性研究所 本館6階 講義室
講 師  寺崎 一郎 氏
(所属)  (早稲田大学理工学部応用物理学科)

要旨:
従来の固体物理学では,物質の結晶構造から出発し,微視的ハミルトニアンを構築し,何がしかの意味で平均場近似を行い,巨視的な物性を説明してきた。そこでは,典型的な還元論が有効であり,統計力学の手法が有効に機能してきた。しかし,この成功は,系が均一で熱平衡状態にある(または熱平衡状態からほとんど離れていない)ことが前提であった。逆に言えば,系が不均一であったり,平衡状態から大きく隔たっていれば,ミクロとマクロは直ちには結びつ かない。
最近,我々が調べている有機伝導体θ-(BEDT-TTF)2CsM'(SCN)4(M'=Zn, Co)は,奇妙な電気特性を示す。それは非オーミックであり(非線形),同一試料であっても電流端子の位置を変えると特性が異なり(非局所),電圧端子の位置によって特性が異なる(不均一)。このような現象が,欠陥の極めて少ない単結晶試料で,熱力学的相転移を経由しないで観測される点 が興味深い。
特に,この系の非線形伝導は,半導体素子のサイリスタと同じ電流−電圧特性を示し,それゆえにインバータ(直流−交流変換機)として機能する。
この談話会では,マクロな実験結果(電流−電圧特性)とその意義を平易に解説した後,物質の結晶構造や電子状態を述べ,我々の見出した非線形現象が,電流による電荷秩序の融解という本質的非平衡現象に帰着することを示す。

関係所員:森 初果(内線63444)
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Last Update 2005/11/17
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