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Seminar
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シリーズセミナー 極限コヒーレント光科学 27回目「遷移金属L2,3端X線吸収および非弾性X線散乱の第一原理多電子計算」
標題: シリーズセミナー 極限コヒーレント光科学 27回目「遷移金属L2,3端X線吸収および非弾性X線散乱の第一原理多電子計算」
日時: 2014年11月26日(水)  午後4:00~
場所: 物性研究所本館6階 第1会議室(A636)  
講師: 池野豪一
所属: 大阪府立大学 21世紀科学研究機構 ナノ科学・材料研究センター
要旨: 軟X線を用いたL2,3端X線吸収分光(XAS)は、遷移金属化合物の物性を支配する3d電子の情報を直接観測できる有力な実験手法であり、物性科学、材料科学を初め様々な分野で応用されている。また、近年では3d電子の情報をより詳細に観測できる新しい分光法として、L2,3端およびK端(pre-edge)における共鳴非弾性X線散乱(RIXS)が注目を集めており、精力的に実験が行われている。その一方で実験スペクトルから原子・電子構造に関する有益な情報を抽出するには電子状態計算が欠かせない。
遷移金属L2,3端においては、空間的に局在した2p空孔と3d電子間の強い相互作用に起因する多重項構造を示すことから、一般的な密度汎関数理論に基づく電子状態計算ではスペクトルを再現することができない。そこで、我々のグループでは、相対論的分子軌道を用いた配置間相互作用(CI)法に基づく内殻X線分光の第一原理計算手法の開発を進めてきた。この方法では、クラスターモデルを用いて、実空間で電子相関を厳密に取り扱った計算を行う。これにより、d電子数、配位数、対称性が異なる様々な遷移金属化合物に対して一切の調節パラメータを用いることなく遷移金属L2,3端XASを定量的に再現・予測することに成功した[1-3]。
本講演では、同手法による遷移金属L2,3端XASおよびRIXSの計算方法、および最近の応用例について紹介する。
世話人: 渡邊浩 (内線:63377)
e-mail: hwata :at: issp.u-tokyo.ac.jp