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Seminar
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放射光セミナー:梯子型鉄系化合物AFe2X3(A=Ba,Cs; X=S,Se,Te)の電子物性
標題: 放射光セミナー:梯子型鉄系化合物AFe2X3(A=Ba,Cs; X=S,Se,Te)の電子物性
日時: 2014年11月20日(木)  午前10:30~
場所: 物性研究所本館6階 第5セミナー室(A615)  
講師: 平田 靖透 氏
所属: 物性研究所 軌道放射物性研究施設 和達研究室
要旨: 鉄カルコゲナイド化合物AFe2X3(A=Ba,Cs; X=S,Se,Te)は鉄系超伝導体の類縁物質であり、鉄原子が梯子構造をなす反強磁性体でる。鉄系超伝導体の母物質が二次元的な電子状態を持ち金属的伝導を示すのにし、AFe2X3はその擬一次元的構造を反映して常圧では絶縁体である。しかし同様に梯子構造を持つ銅酸化物Sr14-xCaxCu24O41では加圧により超伝導が発現する[1]ことから、我々はこれまでAFe2X3に対する超伝導探索および物性測定を行ってきた。その結果、BaFe2Se3はブロック型、CsFe2Se3やBaFe2S3はそれぞれモーメントの向きが異なるストライプ型といった、多種多様な反強磁性秩序をとること、CsFe2Se3は電荷秩序のない混合原子価化合物であるにも関わらず絶縁性が強いことなど、この系が独特の物性を持つことを明らかにしてきた[2-4]。また最近ではBaFe2S3が10GPa付近の高圧下で圧力誘起金属絶縁体転移を起こして金属化することが確認されており、その電子状態の鉄系超伝導体との関係に関心が持たれる[5]。本セミナーでは、BaFe2S3の高圧下赤外分光による圧力誘起金属絶縁体転移のメカニズム解明を中心に、主に放射光を用いたAFe2X3の物性研究の成果を紹介し、擬一次元的な鉄系化合物における特異な電子物性の起源を考察する。

参考文献:
[1] M. Uehara et al., J. Phys. Soc. Jpn. 65, 2764 (1996).
[2] Y. Nambu et al., Phys. Rev. B 85, 064413 (2012).
[3] F. Du et al., Phys. Rev. B 85, 214436 (2012).
[4] F. Du, Y. Hirata et al., Phys. Rev. B 90, 085143 (2014).
[5] 杉本旭ほか、日本物理学会2013年秋季大会26aPS-104 (2013).
世話人: 和達 大樹 (内線:63400)
e-mail: wadati :at: issp.u-tokyo.ac.jp