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Seminar
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[その他セミナー/研究会]
放射光セミナー: 全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法による表面構造解析
標題: 放射光セミナー: 全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法による表面構造解析
日時: 2014年4月25日(金)  午後1:00~
場所: 物性研究所本館6階 第1会議室(A636)  (TV会議播磨中央管理棟3F会議室)
講師: 望月 出海 氏
所属: 高エネルギー加速器研究機構物質構造科学研究所
要旨: 反射高速陽電子回折(RHEPD)は、反射高速電子線回折(RHEED)の陽電子版である。RHEPDは、通常の実験の視射角の範囲で全反射する(Siに10keVの陽電子を入射する場合の臨界角は2°)という、RHEEDにはない際立った特徴をもっている。
RHEPDは、一宮によって1992年に提唱され[1]、1998年に、放射性同位元素22Naを陽電子源とするビームを用いて、河裾・岡田によって実証された[2]。最近、原子力機構の装置を22Na ビームから切り離し、 KEK低速陽電子実験施設の専用リニアックで生成した高輝度・高強度陽電子ビーム[4]に接続した。その結果、ビームの質が向上し、たとえばSi(111)-(7×7)再構成表面の多くの分数次スポットが見えるようになった。
我々は、このように大幅に質が向上した今、RHEPDを全反射高速陽電子回折(Total Reflection High-Energy Positron Diffraction, TRHEPD)と呼ぶことにした。TRHEPDは、全反射条件で最表面のみの原子配置の情報を得て、次に次第に視射角を増加させながら測定することにより、上から順に表面に隠された部分の原子配置の詳細を知ることができるユニークな手法である。そのために、バルクの結晶の構造解析にX線回折が果たしている役割を表面構造解析について担うようになる可能性をもっている。
ここでは、TRHEPDの基本的特徴、およびPt/Ge(001)表面、TiO2(110)-(1×2)表面、Ag(111)表面上のシリセン構造のTRHEPDによる構造決定の結果を紹介する。

文献
[1] A. Ichimiya, Solid State Phenom. 28/29, 143 (1992).
[2] A. Kawasuso, S. Okada, Phys. Rev. Lett. 81, 2695 (1998).
[3] Y. Fukaya, et al., J. Phys.: Conf. Ser. 443 012068 (2013).
[4] K. Wada, et al., Eur. Phys. J. D 66, 37 (2012).
[5] Y. Fukaya et al., accepted to APEX (2014).
[6] I. Mochizuki, et al., Phys. Rev. B 85, 245438 (2012).
[7] I. Mochizuki, et al., in preparation.
[8] Y. Fukaya et al., Phys. Rev. B 88, 205413 (2013).

世話人: 松田 巌 (内線:63402)
e-mail: imatsuda :at: issp.u-tokyo.ac.jp