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[物性研ニュース]
中辻知准教授が第11回日本学術振興会賞を受賞
中辻 知 氏
中辻 知 氏
  日本学術振興会では、我が国の学術研究の水準を世界のトップレベルにおいて発展させるために、創造性に富み優れた研究能力を有する若手研究者を早い段階から顕彰しその研究意欲を高め研究の発展を支援していくことを目的として、平成16年度に日本学術振興会賞(JSPS PRIZE)を創設しました。

  この度、第11回(平成26年度) 日本学術振興会賞受賞者の一人として、中辻知准教授が選ばれました。受賞対象となった研究は「強相関電子系における新しい量子物性の開拓(Exploration of Novel Quantum Phenomena in Strongly Correlated Electron Systems)」です。

  物性物理学においては、近年、巨視的物性に現れる量子現象が広く注目を集めています。中辻知氏は、強い電子間相互作用に由来した量子効果を発現する「強相関電子系」を対象に、新物質の開発と先端的な物性測定を連携させた実験研究を展開し、幾多の画期的な新物性を見出しました。また、新規イッテルビウム化合物を合成、この物質が広い温度領域で「量子臨界現象」を示すことや、イッテルビウム化合物としては初めての重い電子系超伝導を示すことなどを明らかにしました。さらに、「幾何学的フラストレーション」を有するパイロクロア化合物において、カイラル量子スピン液体状態と呼ばれるユニークな状態の存在を示唆する新しい電子輸送現象を見出しました。新物質の合成を興味ある物性現象の発現につなげることは容易ではありませんが、中辻氏は、優れた物理的洞察に基づいた物質開発戦略のもと、新概念の創出につながる物質を次々と見出し、量子物性研究の発展に大きく貢献しました。

日本学術振興会の紹介記事:
http://www.jsps.go.jp/jsps-prize/ichiran_11th/16_nakatsuji.html